自由というただ一つの言葉だけが、今も私を奮い立たせる全てである。
-- 「シュルレアリスム宣言」 A.ブルトン
不様なコード、邪悪な開発環境から引き継いだ負の遺産、不可解なバグと醜く
も押しつけがましいインターフェースに決別すべき時が来た。
美術および芸術において、自由が本質的であることは議論する余地もない。
しかし不思議なことに、コンピュータをこの領域で使う者達の間で、これまで
自由というものが大きな話題になることは無かった。
コンピュータを使って作品を製作するものは、
できあいの製品で遊んでおれば十分であるとされ、有償のバージョンアップを重
ねて集金され続けるだけのお得意様という立場を甘んじて受け入れるか、さも
なければ物陰に隠れながらの違法コピーに身をやつす、ケチな悪党となることを
余儀なくされてきたのである。
我々は、自由と美を好む。したがって、この状況を決して喜ばない。
我々は、自由で美しい環境のもとで作品を製作したいと願う。それ故に、
我々は Linux を選択する。このシステムを用いる理由を以下に挙げよう。
- 醜く、不自由な環境で製作することを我慢する奴隷の美徳を、我々は残念ながら持
ちあわせていない。
- Linux が提供する作業環境は、極めて多様で選択の幅が広く、しかも美しい。
- Linux は信頼でき、長時間にわたる作業を安心して行うことができる。
- Linux には自由がある。全てのプログラムが、自分の好きなように改変可能で
あり、更に言えば、改変したものを自由に配付可能だ。
我々は、このシステムを開発し、普及させてきた数多くの先人を、
またネットワークで公開される数え切れないプログラムとドキュメントにより、
我々がこのシステムを使えるようになったことを忘れない。
それゆえに、作品を製作する自由な計算機環境を実現するための、知識、技術、環
境をわかちあうことを目的とし、BLUG すなわち美術部 Linux ユーザーズグルー
プは結成された。
美術、芸術分野において、自由なコンピュータ環境を実現するための貢献が
BLUG からなされることを願う。
本文書の著作権は藤田裕二([email protected])が保持し、
その配付は GNU 一般公有許諾に基づいて行われる。
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